東日本大震災からもうすぐ10年です。
今回は、この節目の年にこそ、読んでいただきたい本のご紹介です。
著者は、映画化された武士の家計簿も書かれた磯田道史氏です。
災害大国の悲劇
この本から得て欲しいもの、それはタイトルにもある「先人に学ぶ防災」です。
秀吉や家康と地震との関係など、歴史を災害の観点から読み解いたパートもあり、それ自体も興味深く面白いのですが、この本の真髄は、過去を知り、防災にいかに繋げるかという点です。
伝承や記録、地名、年長者の知恵、古文書などに残された、災害により辛い思いをした先人達の、後世に残したい事柄が数多く紹介されています。
日本が災害大国であることを改めて思い知らされると同時に、先人達が経験した辛い思いや、何百もの命や家族を失った悲しみなどが、痛いほどに伝わってきます。
先人の思いを繋いでいく
大切なのは、過去を未来に繋いでいくこと。
先人が残した想いの多くは、残念ながらあまり広くは伝わっていません。
歴史は繰り返すと言いますが、先人の想いを無駄にして、悲劇を繰り返すことほど、悲しいことはありあません。
災害大国に生きていることを知り、先人の辛い経験を繰り返さないために、ぜひ防災に繋げてほしいです。
ビジネスでもリスクマネジメント
ビジネスパーソンには、ビジネスの場でも、歴史を活かしてほしいです。
普段はどうしても前ばかりを見てしまい、なかなか過去を振り返る機会がありません。
時代が違うので、過去を学んでも役に立たないというビジネスパーソンもいますが、過去から学べることはたくさんあります。
新しいと思っていることでも、既にチャレンジして失敗しているかもしれません。
そんなときは、先人の知恵や経験が活かせます。
プロジェクトでも、先人がオブザーバーとして入ることで、その経験を活かしてリスクをコントロールできますし、過去の類似のプロジェクトの記録から、失敗を学ぶことも可能です。
成功ばかり注目されがちなビジネスの場だからこそ、失敗も含めて過去を学び、リスクマネジメントすることが必要だとおもいます。
最後に
末筆ではありますが、東日本大震災で被害に遭われた全ての方に、お見舞い申し上げます。